第11章・実践の基本
Git と GitHub でつなぐべき理由
AI エージェントは、頼めばいくつものファイルにまたがって書き換えてくれます。便利な反面、記録を取っていないと、「どこが変わったのか」「前の状態にどう戻すのか」が分からなくなります。
この章では、そこで役に立つ Git(変化を記録する道具)と GitHub(その記録をインターネットの上に置いて、確かめ合う場所)が、AI との作業でなぜ要るのかを見ます。AI コーディングの会話でよく出る「コミットしておいて」「ブランチを切って」「PR を作って」が、何のための言葉なのかが分かるようになります。
Git と GitHub の操作のしかた(入れ方・コマンドの打ち方)は、この章では扱いません。同じ作者の解説サイト「GitHubをはじめよう」で、1つずつ手を動かしながら覚えられます。
- この章で見ること
- AI に任せる前に Git で記録を取る理由(差分で見比べる・戻す・枝で試す)と、GitHub の Pull Request・Issue で確かめてから取り込む流れを、図で順に見ます。操作の手順は扱いません。
- 読み終わると
- AI に作業させる前に Git で記録を取る理由と、ブランチ・Pull Request で確かめてから取り込む流れを説明できる
- 前の章までに知っていること
- 第4章の、AI エージェントがファイルを書き換えたりコマンドを動かしたりして作業すること。第10章のチェックポイント(作業の巻き戻し)。Git や GitHub を使ったことがなくても読めます。
- 読む時間の目安
- 15分ほど
この章で出てくる言葉
分かる言葉は読み飛ばして構いません。途中で分からない言葉が出たら、ここに戻ってくるか、用語集で探してください。
- Git(ギット)
- ファイルの変化を記録していく道具。前の状態と比べたり、前の状態に戻したりできます。無料で使えるソフトウェアです。
- リポジトリ
- ファイルと、その変化の記録をまとめて置いておく入れ物。Git に記録を取らせているフォルダーのひとまとまりです。
- コミット
- その時点のファイルの状態を、ひとことの説明(コミットメッセージ)を付けて Git の記録に残すこと。残した1つ1つの記録もコミットと呼びます。
- ブランチ(枝)
- 記録を積んでいく線。線を分けると、元の線を変えずに別の作業を進められます。最初からある線は、多くの場合 main という名前です。
- マージ(merge)
- ある枝の変更を、別の枝へ取り込むこと。
- GitHub(ギットハブ)
- Git のリポジトリをインターネットの上に置いておけるサービス。Pull Request や Issue など、確かめ合いながら作業するための道具もそろっています。
- プッシュ(push)
- 手元でコミットした記録を、GitHub などにあるリポジトリへ送ること。
- クローン(clone)
- GitHub などにあるリポジトリを、記録ごと丸ごと手元へコピーしてくること。
- Pull Request(PR)(プルリクエスト)
- 「この枝の変更を、main に取り込んでください」という提案。差分を見ながら話し合い、確かめてからマージします。
- Issue(イシュー)
- GitHub で、やることや不具合・アイデアを書いておく場所。1件ごとに番号が付き、そこで話し合いもできます。
- GitHub CLI(gh)
- GitHub の操作(Issue を読む・PR を作るなど)を、コマンドでできるようにする GitHub 公式の道具。AI エージェントも、これを使って GitHub を操作できます。
下にスクロールすると、図が1つずつ動いて説明が進みます。見逃したら、スクロールを戻せば同じところが巻き戻ります。図は、しくみを説明するために描いた模式図です。実際のアプリの画面ではありません。
01 / 19
AI エージェントは、一度にいくつものファイルを書き換えることがあります。記録が無いと、どこが変わったか・どう戻すかが分かりません。
前の状態を残していなければ、比べる相手も、戻る先もありません。この章では、そのための道具 Git と GitHub が、なぜ AI との作業に要るのかを見ます。
02 / 19
Git は、ファイルの変化を記録していく道具です。Git に記録を取らせているフォルダー(ファイルと記録のひとまとまり)を「リポジトリ」と呼びます。
記録があると、前の状態に戻す・変化を比べる・いつ誰が変えたかを調べる、ができます。Git は無料で使えるソフトウェアです。
03 / 19
コミットは、その時点のファイルの状態を、ひとことの説明を付けて記録に残すことです。記録は時間の順に積み重なります。
Git の公式の本は、コミットを「その瞬間のファイルの写真を撮る」ことにたとえています。付ける説明は「コミットメッセージ」と呼びます。
04 / 19
AI に頼む前に、いまの状態をコミットしておきます。AI の変更がうまくいかなくても、ここへ戻れます。
OpenAI の Codex の説明も、作業の前と後に Git で記録を取り、変更を戻せるようにしておくことを勧めています。
05 / 19
AI が作業すると、ファイルが書き換わります。この時点では、まだ記録していない変更です。
Git は、最後のコミットと比べて、どのファイルのどこが変わったかを見せてくれます。それが次の「差分」です。
06 / 19
差分は、最後のコミットから何が変わったかを、行ごとに見せたものです。+ は増えた行、- は消えた行です。
書き換えた行は、- の古い行と + の新しい行の組で出ます。頼んだ変更のほかに、頼んでいないところまで変わっていないかも、差分を見れば気づけます。
07 / 19
差分を見て問題がなければ、AI の変更をコミットします。良い状態が、また1つ記録に足されます。
コミットも AI に頼めます。Claude Code の説明は、作業の最後に「分かりやすいメッセージでコミットして」と頼む流れを紹介しています。
08 / 19
反対に、だめだったときは AI の変更を捨てて、最後のコミットの状態に戻せます。記録があるから、気軽に試せます。
記録してあったファイルが、最後のコミットの中身に戻ります。Git では git restore などのコマンドがこの役目をし、AI に「その変更を取り消して」と頼むこともできます。
09 / 19
ブランチ(枝)を分けると、元の線(main)をそのままにして、別の線の上で AI に作業させられます。
うまくいかなければ、その枝を使わずに捨てるだけで済みます。そのあいだ、main は一度も変わっていません。
10 / 19
枝の上の作業がうまくいったら、main に取り込みます。これを「マージ」と呼びます。
枝はいくつでも作れるので、やり方を別々の枝で試して、良かったものだけを取り込むこともできます。
11 / 19
GitHub は、Git のリポジトリをインターネットの上に置いておけるサービスです。手元の記録を GitHub へ送ることを「プッシュ」と呼びます。
こまめにプッシュしておけば、手元のパソコンに何かあっても、記録は GitHub に残ります。
12 / 19
Pull Request(PR)は、「この枝の変更を main に取り込んでください」という提案です。差分を見ながら話し合えます。
PR には、説明・差分・コメントがまとまります。取り込む前に、人の目(や別の AI)で確かめるための場所です。
13 / 19
指摘したところは、直しを同じ枝にコミットしてプッシュすれば、PR に加わります。確かめ終わったら、マージします。
Claude Code の説明も、AI が作った PR は出す前に見直し、気になる点を AI に挙げさせることを勧めています。
14 / 19
Issue は、GitHub にやることや不具合を書いておく場所です。先に Issue に書いておけば、その番号を伝えて AI に頼めます。
PR の説明に「Closes #12」のように書くと、main へマージしたとき、その Issue が自動で閉じます。番号は説明のための例です。
15 / 19
AI エージェントは、Git のコマンドや gh(GitHub をコマンドで操作する道具)を自分で動かして、コミットから PR づくりまでこなせます。
Claude Code は「create a pr」のように頼むと PR を作り、その裏では gh pr create が動きます。公式の説明は、GitHub を使うなら gh を入れておくよう勧めています。
16 / 19
GitHub にリポジトリがあれば、別のパソコンからも、クラウドで動く AI からも、同じ記録の続きから作業できます。
Claude Code をクラウドで動かすと、GitHub からリポジトリを持ってきて(クローン)作業し、枝をプッシュします。手元だけのコミットは、先にプッシュしておくよう説明されています。
17 / 19
OpenAI の Codex や Google の Antigravity CLI にも、Git や GitHub とつながるしくみがあります。AI の変更を差分で見直したり、GitHub の中から AI を呼んだりできます。
図は各社の公式の説明で確かめた例です。以前からある Gemini CLI もありますが、Google は最新の Gemini モデルでのコーディングには Antigravity CLI を勧めています(2026年10月時点)。
18 / 19
第10章のチェックポイントも作業を巻き戻せますが、それはその AI ツールの中だけの手早いしくみです。ずっと残す記録は Git が受け持ちます。
Claude Code の説明は、チェックポイントは Git の代わりではないと書いています。コマンドだけで書き換えたファイルは、チェックポイントでは戻りません。
19 / 19
つなげると、AI との作業は「Issue → 枝を切る → 任せる → 差分を見る → コミット・PR → 確かめてマージ」の流れになります。
Git と GitHub の操作の手順は、同じ作者の GitHubをはじめよう(外部サイト・新しいタブで開きます) で、1つずつ手を動かして覚えられます。
01 / 19
AI エージェントは、一度にいくつものファイルを書き換えることがあります。記録が無いと、どこが変わったか・どう戻すかが分かりません。
前の状態を残していなければ、比べる相手も、戻る先もありません。この章では、そのための道具 Git と GitHub が、なぜ AI との作業に要るのかを見ます。
会話では:「AI がいろいろ書き換えて、元に戻せなくなった」——これを防ぐのが、この章の話です。
しくみの図記録が無いまま、AI に任せると02 / 19
Git は、ファイルの変化を記録していく道具です。Git に記録を取らせているフォルダー(ファイルと記録のひとまとまり)を「リポジトリ」と呼びます。
記録があると、前の状態に戻す・変化を比べる・いつ誰が変えたかを調べる、ができます。Git は無料で使えるソフトウェアです。
会話では:「このフォルダー、Git で管理してる?」「リポジトリを作っておいて」のように使います。
しくみの図Git の記録:コミットが積み重なる03 / 19
コミットは、その時点のファイルの状態を、ひとことの説明を付けて記録に残すことです。記録は時間の順に積み重なります。
Git の公式の本は、コミットを「その瞬間のファイルの写真を撮る」ことにたとえています。付ける説明は「コミットメッセージ」と呼びます。
会話では:「ここまでをコミットしておいて」「コミットメッセージは日本語で」のように頼みます。
しくみの図Git の記録:コミットが積み重なる04 / 19
AI に頼む前に、いまの状態をコミットしておきます。AI の変更がうまくいかなくても、ここへ戻れます。
OpenAI の Codex の説明も、作業の前と後に Git で記録を取り、変更を戻せるようにしておくことを勧めています。
会話では:「AI に触らせる前にコミットしておいて」「作業前の状態はコミット済み?」のように使います。
しくみの図Git の記録:コミットが積み重なる05 / 19
AI が作業すると、ファイルが書き換わります。この時点では、まだ記録していない変更です。
Git は、最後のコミットと比べて、どのファイルのどこが変わったかを見せてくれます。それが次の「差分」です。
会話では:「まだコミットしていない変更が残っている」のように言います。
しくみの図Git の記録:コミットが積み重なる06 / 19
差分は、最後のコミットから何が変わったかを、行ごとに見せたものです。+ は増えた行、- は消えた行です。
書き換えた行は、- の古い行と + の新しい行の組で出ます。頼んだ変更のほかに、頼んでいないところまで変わっていないかも、差分を見れば気づけます。
会話では:「差分を見せて」「diff を確かめてからコミットする」のように使います。
しくみの図差分:何が変わったかを、行ごとに見る07 / 19
差分を見て問題がなければ、AI の変更をコミットします。良い状態が、また1つ記録に足されます。
コミットも AI に頼めます。Claude Code の説明は、作業の最後に「分かりやすいメッセージでコミットして」と頼む流れを紹介しています。
会話では:「よさそうなので、分かりやすいメッセージでコミットして」のように頼みます。
しくみの図Git の記録:コミットが積み重なる08 / 19
反対に、だめだったときは AI の変更を捨てて、最後のコミットの状態に戻せます。記録があるから、気軽に試せます。
記録してあったファイルが、最後のコミットの中身に戻ります。Git では
git restoreなどのコマンドがこの役目をし、AI に「その変更を取り消して」と頼むこともできます。会話では:「さっきのコミットまで戻して」「この変更は捨てていい」のように使います。
しくみの図Git の記録:コミットが積み重なる09 / 19
ブランチ(枝)を分けると、元の線(main)をそのままにして、別の線の上で AI に作業させられます。
うまくいかなければ、その枝を使わずに捨てるだけで済みます。そのあいだ、main は一度も変わっていません。
会話では:「ブランチを切ってから任せる」「新しい枝で試して」のように使います。「切る」は枝を作ることです。
しくみの図ブランチ:元を変えずに、別の線で試す10 / 19
枝の上の作業がうまくいったら、main に取り込みます。これを「マージ」と呼びます。
枝はいくつでも作れるので、やり方を別々の枝で試して、良かったものだけを取り込むこともできます。
会話では:「main にマージして」「この枝はマージしないで捨てる」のように使います。
しくみの図ブランチ:元を変えずに、別の線で試す11 / 19
GitHub は、Git のリポジトリをインターネットの上に置いておけるサービスです。手元の記録を GitHub へ送ることを「プッシュ」と呼びます。
こまめにプッシュしておけば、手元のパソコンに何かあっても、記録は GitHub に残ります。
会話では:「コミットしたらプッシュしておいて」「GitHub に上げておいて」のように使います。
しくみの図GitHub:記録をインターネットの上にも置く12 / 19
Pull Request(PR)は、「この枝の変更を main に取り込んでください」という提案です。差分を見ながら話し合えます。
PR には、説明・差分・コメントがまとまります。取り込む前に、人の目(や別の AI)で確かめるための場所です。
会話では:「PR を作らせて、差分を見てからマージ」「PR にコメントしておいた」のように使います。
しくみの図Pull Request:確かめてから取り込む13 / 19
指摘したところは、直しを同じ枝にコミットしてプッシュすれば、PR に加わります。確かめ終わったら、マージします。
Claude Code の説明も、AI が作った PR は出す前に見直し、気になる点を AI に挙げさせることを勧めています。
会話では:「レビューのコメントに対応して」「確かめたのでマージして」のように頼みます。
しくみの図Pull Request:確かめてから取り込む14 / 19
Issue は、GitHub にやることや不具合を書いておく場所です。先に Issue に書いておけば、その番号を伝えて AI に頼めます。
PR の説明に「Closes #12」のように書くと、main へマージしたとき、その Issue が自動で閉じます。番号は説明のための例です。
会話では:「Issue に書いてから頼む」「Issue #12 を読んで対応して」のように使います。
しくみの図Issue:やることを先に書いておく15 / 19
AI エージェントは、Git のコマンドや gh(GitHub をコマンドで操作する道具)を自分で動かして、コミットから PR づくりまでこなせます。
Claude Code は「create a pr」のように頼むと PR を作り、その裏では
gh pr createが動きます。公式の説明は、GitHub を使うなら gh を入れておくよう勧めています。会話では:「gh は入ってる?」「変更をコミットして PR を作って」のように頼みます。
しくみの図AI が git と gh を動かす16 / 19
GitHub にリポジトリがあれば、別のパソコンからも、クラウドで動く AI からも、同じ記録の続きから作業できます。
Claude Code をクラウドで動かすと、GitHub からリポジトリを持ってきて(クローン)作業し、枝をプッシュします。手元だけのコミットは、先にプッシュしておくよう説明されています。
会話では:「クラウドで動かすなら、先にプッシュしておいて」のように使います。
しくみの図GitHub:記録をインターネットの上にも置く17 / 19
OpenAI の Codex や Google の Antigravity CLI にも、Git や GitHub とつながるしくみがあります。AI の変更を差分で見直したり、GitHub の中から AI を呼んだりできます。
図は各社の公式の説明で確かめた例です。以前からある Gemini CLI もありますが、Google は最新の Gemini モデルでのコーディングには Antigravity CLI を勧めています(2026年10月時点)。
会話では:「PR に @codex review と書いてレビューさせる」「Issue に @claude と書いて頼む」のような使い方もあります。
しくみの図3社の AI ツールと Git・GitHub18 / 19
第10章のチェックポイントも作業を巻き戻せますが、それはその AI ツールの中だけの手早いしくみです。ずっと残す記録は Git が受け持ちます。
Claude Code の説明は、チェックポイントは Git の代わりではないと書いています。コマンドだけで書き換えたファイルは、チェックポイントでは戻りません。
会話では:「チェックポイントで戻す? Git で戻す?」——その場の手直しはチェックポイント、残す記録は Git、と使い分けます。
しくみの図チェックポイントと Git の違い19 / 19
つなげると、AI との作業は「Issue → 枝を切る → 任せる → 差分を見る → コミット・PR → 確かめてマージ」の流れになります。
Git と GitHub の操作の手順は、同じ作者の GitHubをはじめよう(外部サイト・新しいタブで開きます) で、1つずつ手を動かして覚えられます。
会話では:「Issue を立てて、ブランチを切って、PR まで作って」——この一言が通じれば、この章の言葉はそろっています。
しくみの図AI との作業の流れ
会話ではこう出てくる(手順ごと)
上の手順の番号と合わせて見てください。
- 01
AI エージェントは、一度にいくつものファイルを書き換えることがあります。記録が無いと、どこが変わったか・どう戻すかが分かりません。
「AI がいろいろ書き換えて、元に戻せなくなった」——これを防ぐのが、この章の話です。
- 02
Git は、ファイルの変化を記録していく道具です。Git に記録を取らせているフォルダー(ファイルと記録のひとまとまり)を「リポジトリ」と呼びます。
「このフォルダー、Git で管理してる?」「リポジトリを作っておいて」のように使います。
- 03
コミットは、その時点のファイルの状態を、ひとことの説明を付けて記録に残すことです。記録は時間の順に積み重なります。
「ここまでをコミットしておいて」「コミットメッセージは日本語で」のように頼みます。
- 04
AI に頼む前に、いまの状態をコミットしておきます。AI の変更がうまくいかなくても、ここへ戻れます。
「AI に触らせる前にコミットしておいて」「作業前の状態はコミット済み?」のように使います。
- 05
AI が作業すると、ファイルが書き換わります。この時点では、まだ記録していない変更です。
「まだコミットしていない変更が残っている」のように言います。
- 06
差分は、最後のコミットから何が変わったかを、行ごとに見せたものです。+ は増えた行、- は消えた行です。
「差分を見せて」「diff を確かめてからコミットする」のように使います。
- 07
差分を見て問題がなければ、AI の変更をコミットします。良い状態が、また1つ記録に足されます。
「よさそうなので、分かりやすいメッセージでコミットして」のように頼みます。
- 08
反対に、だめだったときは AI の変更を捨てて、最後のコミットの状態に戻せます。記録があるから、気軽に試せます。
「さっきのコミットまで戻して」「この変更は捨てていい」のように使います。
- 09
ブランチ(枝)を分けると、元の線(main)をそのままにして、別の線の上で AI に作業させられます。
「ブランチを切ってから任せる」「新しい枝で試して」のように使います。「切る」は枝を作ることです。
- 10
枝の上の作業がうまくいったら、main に取り込みます。これを「マージ」と呼びます。
「main にマージして」「この枝はマージしないで捨てる」のように使います。
- 11
GitHub は、Git のリポジトリをインターネットの上に置いておけるサービスです。手元の記録を GitHub へ送ることを「プッシュ」と呼びます。
「コミットしたらプッシュしておいて」「GitHub に上げておいて」のように使います。
- 12
Pull Request(PR)は、「この枝の変更を main に取り込んでください」という提案です。差分を見ながら話し合えます。
「PR を作らせて、差分を見てからマージ」「PR にコメントしておいた」のように使います。
- 13
指摘したところは、直しを同じ枝にコミットしてプッシュすれば、PR に加わります。確かめ終わったら、マージします。
「レビューのコメントに対応して」「確かめたのでマージして」のように頼みます。
- 14
Issue は、GitHub にやることや不具合を書いておく場所です。先に Issue に書いておけば、その番号を伝えて AI に頼めます。
「Issue に書いてから頼む」「Issue #12 を読んで対応して」のように使います。
- 15
AI エージェントは、Git のコマンドや gh(GitHub をコマンドで操作する道具)を自分で動かして、コミットから PR づくりまでこなせます。
「gh は入ってる?」「変更をコミットして PR を作って」のように頼みます。
- 16
GitHub にリポジトリがあれば、別のパソコンからも、クラウドで動く AI からも、同じ記録の続きから作業できます。
「クラウドで動かすなら、先にプッシュしておいて」のように使います。
- 17
OpenAI の Codex や Google の Antigravity CLI にも、Git や GitHub とつながるしくみがあります。AI の変更を差分で見直したり、GitHub の中から AI を呼んだりできます。
「PR に @codex review と書いてレビューさせる」「Issue に @claude と書いて頼む」のような使い方もあります。
- 18
第10章のチェックポイントも作業を巻き戻せますが、それはその AI ツールの中だけの手早いしくみです。ずっと残す記録は Git が受け持ちます。
「チェックポイントで戻す? Git で戻す?」——その場の手直しはチェックポイント、残す記録は Git、と使い分けます。
- 19
つなげると、AI との作業は「Issue → 枝を切る → 任せる → 差分を見る → コミット・PR → 確かめてマージ」の流れになります。
「Issue を立てて、ブランチを切って、PR まで作って」——この一言が通じれば、この章の言葉はそろっています。
この章のまとめ
- 1
記録を取ってから任せます。AI に頼む前にコミットしておけば、AI の変更を差分で見比べられ、だめなら最後のコミットの状態に戻せます。
- 2
枝で試し、PR で確かめてから取り込みます。ブランチを分ければ main を変えずに試せます。Pull Request で差分を見て話し合い、よければマージします。
- 3
GitHub につなぐと、どこからでも同じ記録を触れます。別のパソコンやクラウドの AI も、同じリポジトリの続きから作業できます。チェックポイントはその場の巻き戻しで、ずっと残す記録は Git です。
Git と GitHub を実際に使い始める手順(入れ方・コミット・プッシュ・ブランチ・Pull Request)は、「GitHubをはじめよう」にあります。
この章の内容を確かめた情報源
- Pro Git「About Version Control」・「What is Git?」(版の記録・コミットはその時点の写真)
- Git「gitglossary」・git-diff・git-restore・Branches in a Nutshell(コミット・差分・戻す・ブランチ・マージ)
- GitHub Docs「GitHub とは」・「リポジトリについて」・「GitHub用語集」
- GitHub Docs「Pull Request」・「Branches」・「About issues」・「Linking a pull request to an issue」・「GitHub CLI について」
- Claude Code「Common workflows」・「Best practices」・「Checkpointing」・「Use Claude Code in the cloud」・「GitHub Actions」
- Codex「Codex CLI」・「Code review」・「Review GitHub pull requests with Codex」・「Codex Cloud」
- Antigravity「Diff command (/diff)」・「CLI best practices」・Google Cloud「Gemini CLI」(Google は最新の Gemini でのコーディングに Antigravity CLI を勧めている)
- GitHubをはじめよう(同じ作者の、Git と GitHub の操作の解説)
確認日: 2026年10月25日