用語集
この教材で出てくる言葉
各章の冒頭の「この章で出てくる言葉」を、章の順にまとめたものです。くわしい説明は、それぞれの章の本文にあります。 章が増えると、ここにも言葉が増えます。
この教材の読み方に出てくる言葉
- スクロール
- 画面を上下に動かすこと。マウスなら真ん中の車輪(ホイール)を回し、トラックパッドなら2本の指で上下になぞります。スマホは指で画面をなで上げます。
- 模式図(しくみの図)
- この教材の中の絵。実際のアプリの画面ではなく、しくみを説明するために描いたものです。絵の中を押しても何も起きません。
- AI コーディング
- AI に頼んでプログラム(コード)を書いてもらったり、直してもらったりしながら作ること。この教材のゴールは、その会話についていけるようになることです。
第1章 AI ってなに? いろいろな種類と、学ぶしくみ
- AI(人工知能)(エーアイ)
- 人の代わりに、見分ける・予測する・文章や画像を作るといった難しい作業をこなすプログラムやしくみの総称。1つの道具の名前ではなく、いろいろな種類があります。
- 機械学習
- たくさんの例(データ)から、見分け方や予測のしかたをプログラムに見つけさせるやり方。AI の中の一分野です。
- モデル
- 学習によってできあがった「答えを出すしかけ」。中には答えを決める数(パラメータ)がたくさん入っています。
- 学習
- 例を見せて答えさせ、正しい答えとのずれが小さくなるように、モデルの中の数を少しずつ直すことをくり返す作業。「トレーニング」とも言います。
- ラベル
- 学習に使う例に付けておく「正しい答え」。ねこの写真なら「ねこ」という答えがラベルです。
- パラメータ
- モデルの中にある、答えを決める数。学習で少しずつ直されます。LLM はこの数がとても多いモデルです。
- 推論(すいろん)
- 学習が終わったモデルに新しいデータを入れて、答えを出させること。AI を「使う」ときに起きているのはこれです。
- 画像分類
- 写真に写っているものが何かを、学習のときに決めた種類の中から答える AI。候補を確からしい順に返します。
- 物体検出
- 写真や映像の中の「どこに・何が」あるかを、位置を示す四角い枠(バウンディングボックス)と名前で答える AI。
- 音声認識
- 話した声を聞き取って文字にする AI。「文字起こし」とも呼ばれます。
- 機械翻訳
- ある言葉(日本語など)の文を、別の言葉(英語など)の文に直す AI。
- おすすめ(推薦システム)
- たくさんの動画や品物の中から、その人が気に入りそうなものを選んで並べるしくみ。見たものに似たものや、好みの似た人が見たものを選びます。
- 生成AI(せいせいエーアイ)
- 文章・画像・音声などの新しいものを作り出す AI の種類。LLM や画像生成がこれに入ります。
- 画像生成
- 文の指示から新しい画像を作る AI。生成AI の一種ですが、LLM とは別のものです。
- LLM(大規模言語モデル)(エルエルエム)
- 大量の文章で学習し、文章を読んで文章を作るモデル。質問に答える・要約する・プログラムを書くなどができます。Claude・GPT・Gemini がその仲間です。
- 事前学習
- LLM が最初に行う学習。大量の文章を読み、それまでの文章から次の言葉を予測する練習をくり返します。
- ファインチューニング
- 学習済みのモデルを、別のデータでさらに学習させて調整すること。LLM を「質問に答える助手」として振る舞わせるのにも使われます。
- 知識のカットオフ
- モデルが学んだ文章の締め切りの時点。それより新しいことは、ネット検索などの道具を使わない限り知りません。
- ハルシネーション
- AI が、事実と違うことをもっともらしく自信ありげに書くこと。存在しない関数を書いてくることもあるので、出てきたものは確かめます。
第2章 LLM のしくみ:トークン・プロンプト・知識の締め切り
- プロンプト
- AI に入力として渡す文章。質問・頼みごと・貼り付けた資料など、短い1文でも長い文書でもプロンプトです。
- トークン
- LLM が文章を扱うときの細かい単位。単語・単語の一部・1文字などになります。料金や、一度に読める量もトークンの数で数えます。
- トークナイザー
- 文をトークンに区切り、1つずつ番号に置き換える道具。区切り方は方式(モデル)ごとに違うので、同じ文でもトークンの数が変わります。
- 生成・出力(せいせい・しゅつりょく)
- モデルが返事の文章を作ること(生成)と、作った側の文章(出力)。次のトークンを1つ選んで後ろに足すことをくり返して作ります。読ませる側は「入力」と呼びます。
- 温度(おんど)
- 返事を作るときの選び方の、ばらつきの大きさを決める値。高いほど珍しい言い回しも選ばれ、低いほど確からしい言い回しに寄ります。低くしても、毎回同じ答えになるとは限りません。
- ストリーミング
- 返事を全部作り終える前に、できた部分から少しずつ送って表示するしくみ。長い返事でも早く読み始められます。
- システムプロンプト
- アプリを作った側が、会話の前に付けてモデルへ送る、振る舞い方の指示。OpenAI は instructions や developer メッセージ、Google はシステム指示(system instructions)と呼んでいます。
- コンテキストウィンドウ
- モデルが1回の返事を作るときに読める量の上限。システムプロンプト・それまでの会話・これから書く返事まで、全部がこの中に入ります。大きさはトークンの数で表し、モデルごとに違います。
第3章 3社のモデルと、いつ何を使うか
- アプリ(製品)とモデル
- 毎日さわる画面・会話の記録・ログインなどを受け持つのが「アプリ(製品)」、その中で文章を作る本体が「モデル」です。ChatGPT はアプリの名前、GPT はモデルの名前です。
- モデルの系列(ラインナップ)
- 1つの会社が並べて出している、賢さ・速さ・料金の違うモデルの組。各社の説明では、上の段ほど難しい仕事に強く、下の段ほど速くて安い、という並びです。
- フラッグシップモデル
- その会社が看板としている、いちばん上の段のモデル。「フラッグシップ」は旗艦(艦隊を率いる船)のことです。
- モデルの引退
- 新しいモデルが出たあと、古いモデルが使えなくなること。各社とも、古いモデルを定期的に引退させると説明しています。
- マルチモーダル
- 文章・画像・音声・動画など、何種類ものデータ(データの種類を「モダリティ」と呼びます)を扱えること。画面のスクリーンショットを読ませて質問できるのは、モデルがマルチモーダルだからです。
- レイテンシ
- 頼んでから答えが返ってくるまでの待ち時間。「レイテンシが低い」は「待ち時間が短い(速い)」という意味です。
- 思考(シンキング)
- モデルが答える前に、問題を言い換えたり、やり方を試したり、途中の結果を確かめたりする段階。英語では thinking や reasoning と呼びます。「推論」と訳されることもありますが、第1章の推論(学習済みのモデルを使うこと)とは別の意味です。
- 考える量の設定(effort)
- モデルにどれだけ考えさせるかの設定。低くすると速く安く、高くすると難しい問題に強くなる代わりに、時間とトークンが増えます。会社によって呼び名が違います。
- プラン(サブスクリプション)
- アプリを使うための契約。無料のものと、毎月決まった額を払うものがあり、使える量やモデルがプランで変わります。「サブスク」とも言います。
- 使用量の上限
- プランの中で使える量の上限。有料のプランにもあります。使い切ったら、量が戻る(リセットされる)のを待つか、プランを上げるか、追加の分を買います。どれができるかは会社とプランで違い、くわしくは各社の料金ページにあります。
- API(エーピーアイ)
- プログラムから別のサービスの機能を呼び出すための窓口。AI の会社の API を使うと、アプリを通さずに、自分のプログラムや道具からモデルを直接呼び出せます。
- API キー
- API を使うために発行してもらう長い文字列。パスワードのように扱います。漏れると、ほかの人に使われて自分に料金がかかることがあるので、人に見せたり、Git に入れて公開したりしません。
- 従量課金(じゅうりょうかきん)
- 使った量に応じて料金を払うしくみ。AI の API では、読ませた量(入力)と書かせた量(出力)のトークンの数に、モデルごとの単価をかけて料金が決まります。
- ローカル LLM
- 自分のパソコンの中で動かす LLM。手元で動かせる形で公開されたモデル(オープンモデル)を入れて使います。読ませた中身を会社のサーバーへ送らずに済む代わりに、パソコンの性能が要り、動かせるのは小さめのモデルです。
- ベンチマーク
- 決まった問題集をモデルに解かせて、正しく解けた割合などで比べるもの。比べる手がかりになりますが、問題集はあなたの作業そのものではありません。
第4章 チャットからエージェントへ
- チャット
- この教材では、AI と文章でやりとりして答えてもらう使い方のこと。答えは画面に出るだけなので、コードを使うなら、人が自分のファイルに貼り付けて動かします。
- AI エージェント(エーアイ エージェント)
- 頼まれた作業を、道具(ツール)を使って自分で進める AI。「考える → 道具を使う → 結果を見る」をくり返しながら、ファイルを読み書きしたりコマンドを動かしたりします。
- コマンド
- パソコンに文字で打って出す命令。プログラムやテストを動かす・Git で記録を取る、などをコマンドで行います。AI エージェントは、道具を使ってコマンドを動かします。
- ツール(道具)
- AI が作業に使える機能。ファイルを読む・書き換える・探す・コマンドを動かす・Web を調べる、など。道具が無ければ、AI は文章で答えることしかできません。
- ツールの呼び出し
- LLM が「この道具を、こう使いたい」と決まった形で書いたもの。実際に道具を動かすのは LLM を包むアプリの側で、結果は会話に足されて LLM に戻ります。「ツールコール」とも言います。
- エージェントのループ
- AI エージェントの「考える → 道具を使う → 結果を見る」のくり返し。Claude Code の説明では、「情報を集める・作業する・結果を確かめる」を、作業が終わるまでくり返すことです。
- ハーネス
- LLM を包んで、道具・会話の中身・許可の確かめなどを用意する側のしくみ。Claude Code はハーネスで、その中で動く LLM が Claude です。
- 作業フォルダー
- AI エージェントを起動したフォルダー。エージェントは、主にこの中のファイルを読み書きして作業します。プログラムを作るときは、そのプログラムのファイルをまとめたフォルダー(第11章で見るリポジトリ)で起動します。
- コーディングエージェント
- プログラムを書く・直す作業に向けた AI エージェント。Anthropic の Claude Code、OpenAI の Codex、Google の Antigravity CLI などがあります。
第5章 使う場所の違い:ブラウザ・デスクトップ・CLI・エディタ
- ブラウザ版(Web 版)
- Web のページを見るアプリ(ブラウザ)でサイトを開いて使う形。何も入れずに使えます。claude.ai・chatgpt.com などのチャットでは、AI に見せたいファイルは自分で添付して渡します。
- デスクトップアプリ
- パソコンに入れて使うアプリ。ボタンや画面を押して操作します。AI コーディングのデスクトップアプリでは、作業するフォルダーを選ぶと、その中のファイルを AI が読み書きします。
- ターミナル
- 文字を打ってパソコンに命令する画面(アプリ)。Mac では「ターミナル」、Windows では PowerShell などがこれにあたります。打った命令(コマンド)の結果も、文字で返ってきます。
- CLI(コマンドライン)(シーエルアイ)
- Command Line Interface の略。ボタンではなく、文字(コマンド)を打って操作する形のアプリのこと。Claude Code の CLI は、ターミナルで claude と打って起動し、ターミナルの中で動きます。
- エディタ/IDE(アイディーイー)
- プログラムのファイルを開いて書き換えるためのアプリ。VS Code が代表例です。書く・動かす・確かめる道具を1つにまとめたものを IDE(統合開発環境)と呼び、AI ツールの文書では VS Code も IDE と呼んでいます。
- 拡張機能
- アプリにあとから足して、できることを増やす部品。エディタに AI ツールの拡張機能を入れると、エディタの中に AI との会話の欄が出て、開いているファイルを見せながら頼めます。
- ローカル
- 自分のパソコンのこと。「ローカルで動かす」は、自分のパソコンの上で動かすこと。ターミナル・デスクトップアプリ・エディタの AI ツールは、ふつうローカルで動き、手元のファイルを読み書きします。
- クラウドで動かす(リモート)
- 作業を、自分のパソコンではなく、各社が用意したインターネットの向こうのコンピューターで動かすこと。パソコンを閉じても作業が続きます。手元のファイルは自動では渡らないので、GitHub などに置いたコードを写して作業します。
第6章 はじめての1往復:AI エージェントに頼んで、確かめる
- 起動
- アプリを動かし始めること。Claude Code は、作業フォルダーへ移ってから、ターミナルで claude と打って起動します。
- フォルダーの信頼(trust・トラスト)
- 初めてのフォルダーで AI エージェントを起動したときに出る「このフォルダーを信頼しますか」の確認。信頼すると、AI がそこのファイルを読み・書き換え・実行できるようになります。自分で作ったものか、信頼できる人のものかを確かめてから答えます。
- セッション
- AI エージェントとの、ひとつながりの会話。Claude Code では起動すると始まり(途中で /clear を使っても新しく始まります)、作業フォルダーごとに保存されるので、終えたあとでも続きから再開できます。新しいセッションは、前の会話を引き継ぎません。
- 許可(承認)
- AI エージェントがファイルを書き換える・コマンドを動かす前に、人に「やってよいか」を聞くしくみと、それに答えること。どこまでを聞かずに任せるかは、権限モードで選べます(第10章)。
- 差分(diff・ディフ)
- 変更の前と後を比べて、変わったところを並べた表示。- の付いた行が消える(消えた)行、+ の付いた行が足される(増えた)行です。Git でも、最後の記録と比べた差分を見られます(第11章)。
- 終了(/exit)
- AI エージェントの画面を閉じて、元のターミナルに戻ること。Claude Code では、入力欄に /exit と打って Enter を押すか、Ctrl キーを押しながら D を2回押します。会話はセッションとして保存され、残ります。
第7章 頼み方と確かめ方
- 文脈(前提)
- 頼みごとの背景として AI に伝える情報。関係するファイル、いまの状態、使っているプログラミング言語、参考にする例など、AI がまだ知らないこと。英語では context と言います。
- 制約(せいやく)
- 「やってほしくないこと」「守ってほしい決まり」として頼む文にそえる条件。「ほかのファイルは変えない」「新しいライブラリは足さない」など。
- 完了条件(終わりの条件)
- 何ができたら作業が終わりかを決めたもの。「テストが全部通る」「このエラーが出なくなる」のように、確かめられる形で書きます。
- 例を見せる(few-shot)(フューショット)
- 頼む文に、入力とそのときの答えの組をいくつか並べて、ほしい答えの形を伝えるやり方。ふつうの例だけでなく、間違えやすい端の場合も入れます。
- 端の場合(エッジケース)
- 空の入力・ふだん来ない形の入力など、まちがいが起きやすい境目の場合。ふつうの例では正しく動くプログラムも、ここで間違えることがあります。
- 関数(かんすう)
- 決まった仕事をする、名前の付いたプログラムのまとまり。入力を受け取って、答えを返します。例: メールアドレスを受け取って、正しい形かどうかを返す is_valid_email。
- バイブコーディング(vibe coding)
- 出てきたコードを読まずに、AI に任せきりで作り進めるやり方。2025年の初めに Andrej Karpathy が名付けた言葉で、vibe は「雰囲気・ノリ」のことです。試しに作るだけならよくても、使い続けるものは確かめてから受け入れます。
- 動作確認
- 作ったものを実際に動かして、思ったとおりに動くかを確かめること。「動作確認までやって」は、作るだけでなく、動かして確かめるところまで頼むという意味です。
- テスト
- 決めた入力と、期待する答えの組をプログラムにして、正しく動くかを機械にまとめて確かめさせるもの。期待どおりなら「通る」、違えば「落ちる(失敗する)」と言います。
- レビュー
- 変更の中身(差分)を読んで、間違いや、頼んでいない変更が無いかを確かめること。人がするほか、AI にさせることもできます。
- ドキュメント(公式の説明書)
- プログラミング言語や道具を作った側が出している説明書。関数の名前や使い方が本当にあるかを確かめるときに見ます。
- エラーメッセージ
- プログラムがうまく動かなかったときに出る文。何が起きたか・どこで起きたかが書いてあります。AI に直してもらうときは、全文をそのまま渡します。
- 再現手順(さいげんてじゅん)
- どうすると問題が起きるかの手順。どのコマンドを動かしたか、何をしたらどうなったか、毎回起きるかときどきか、などを書きます。
第8章 スラッシュコマンド
- スラッシュコマンド
- 入力欄の先頭に「/」(スラッシュ)を付けて打つ、短い命令。AI への頼みごとではなく、Claude Code のような AI ツールそのものを操作します。例: /help・/clear・/model。
- 組み込みのコマンド
- AI ツールに最初から入っているスラッシュコマンド。多くは、AI に考えさせずにツールが自分で決まった処理をします(会話を消す・モデルを変える・一覧を出す など)。
- 自分で作るコマンド(カスタムコマンド)
- よく使う頼み方をファイルに書いておき、「/名前」で呼び出せるようにしたもの。いまの Claude Code では「スキル」という形で作ります(第13章)。
- 引数(ひきすう)
- コマンドの名前の後ろに続けて渡す言葉。「/model sonnet」の sonnet のように、何をどうするかをコマンドに伝えます。
第9章 コンテキスト:AI が一度に見ている範囲
- コンテキスト
- AI が返事を作るときに読んでいる中身の全部。システムプロンプト・指示ファイル・それまでの会話・読んだファイル・道具の結果などが入っています。入れられる量の上限が、コンテキストウィンドウです。
- コンテキストの使用量(しようりょう)
- コンテキストウィンドウのうち、いま埋まっている量。Claude Code では /context で、何がどれだけ場所を取っているかを項目ごとに見られます。
- コンテキストの劣化(context rot)(れっか)
- コンテキストに入っている量が増えるほど、AI が中身を正しく拾いにくくなること。前のほうの指示を忘れたり、間違いが増えたりします。たくさん入れるほどよいわけではなく、何を入れるかが大事です。
- 圧縮(compact)(あっしゅく)
- それまでの会話を短いまとめ(要約)に置き換えて、コンテキストの場所を空けること。Claude Code では /compact で自分で始められ、まとめで残してほしいことを書き添えられます。細かいところは抜けることがあります。
- 自動の圧縮(じどうのあっしゅく)
- コンテキストが上限に近づいたとき、アプリが自動で古いやりとりをまとめて場所を空けること。Claude Code では最初から有効で、まず古い道具の結果を消し、それでも足りなければ会話を要約します。
第10章 許可のしくみとプランモード
- 権限モード(けんげんモード)
- AI が、あなたに聞かずにどこまで進めてよいかを決める設定。Claude Code では、毎回聞く manual、作業フォルダーの中の書き換えは聞かない accept edits、計画だけを立てる plan、別の AI が代わりに確かめる auto などがあり、shift+tab で切り替えます。
- auto モード(オートモード)
- Claude Code の権限モードの1つ。ふだんの許可の画面を出さず、動かす前に、別の AI(分類器)が頼んだ範囲を超えていないか・危なくないかを確かめて止めます。聞かれる回数は減りますが、公式は安全を保証するものではないと注意しています。
- プランモード
- 書き換える前に、AI にファイルを読んで調べさせ、進め方の計画だけを立てさせるモード。あなたが計画を読んで承認するまで、ファイルは書き換えません。Claude Code では shift+tab で切り替えるか、頼む文の頭に /plan を付けます。
- 許可のルール(allow・ask・deny)(アラウ・アスク・ディナイ)
- 「この道具のこの使い方は聞かずに許す(allow)」「毎回聞く(ask)」「止める(deny)」を、設定ファイルに書いておくもの。食い違ったときは deny がいちばん強く、ask、allow の順です。
- 設定ファイル(settings.json)(セッティングス・ジェイソン)
- Claude Code の設定を書くファイル。自分のすべてのプロジェクト用(~/.claude/settings.json)、チームで共有する用(.claude/settings.json)、自分のこのプロジェクトだけ用(.claude/settings.local.json)があります。
- プロンプトインジェクション
- AI が読む Web のページやファイルに悪い指示の文をまぎれこませて、AI に本来の頼みと違うことをさせようとする手口。書き換えやコマンドの前に許可を求めるしくみは、これへの守りの1つでもあります。
- 許可を飛ばす設定(--dangerously-skip-permissions)(デンジャラスリー・スキップ・パーミッションズ)
- 許可の確かめを全部飛ばして、すぐに動かす使い方。名前に「危険な(dangerously)」と入っているとおり、公式は、パソコン本体を壊せない隔離した環境(コンテナや仮想マシン)でだけ使うよう書いています。
- サンドボックス
- AI が動かすコマンドが書き込める場所とつなげる先を、パソコンのしくみで囲うもの。たとえると、砂場(sandbox)の中でだけ遊ばせるような囲いです。囲いの中なら、聞かずに動かしても外は壊れにくくなります。
- チェックポイント(巻き戻し)
- Claude Code が、頼むたびに残しておく「AI が書き換える前のファイル」の控え。入力欄が空のときに Esc を2回押すか /rewind で、前の状態に戻せます。コマンドだけで変えたファイルは戻らず、Git の代わりにはなりません。
第11章 Git と GitHub でつなぐべき理由
- Git(ギット)
- ファイルの変化を記録していく道具。前の状態と比べたり、前の状態に戻したりできます。無料で使えるソフトウェアです。
- リポジトリ
- ファイルと、その変化の記録をまとめて置いておく入れ物。Git に記録を取らせているフォルダーのひとまとまりです。
- コミット
- その時点のファイルの状態を、ひとことの説明(コミットメッセージ)を付けて Git の記録に残すこと。残した1つ1つの記録もコミットと呼びます。
- ブランチ(枝)
- 記録を積んでいく線。線を分けると、元の線を変えずに別の作業を進められます。最初からある線は、多くの場合 main という名前です。
- マージ(merge)
- ある枝の変更を、別の枝へ取り込むこと。
- GitHub(ギットハブ)
- Git のリポジトリをインターネットの上に置いておけるサービス。Pull Request や Issue など、確かめ合いながら作業するための道具もそろっています。
- プッシュ(push)
- 手元でコミットした記録を、GitHub などにあるリポジトリへ送ること。
- クローン(clone)
- GitHub などにあるリポジトリを、記録ごと丸ごと手元へコピーしてくること。
- Pull Request(PR)(プルリクエスト)
- 「この枝の変更を、main に取り込んでください」という提案。差分を見ながら話し合い、確かめてからマージします。
- Issue(イシュー)
- GitHub で、やることや不具合・アイデアを書いておく場所。1件ごとに番号が付き、そこで話し合いもできます。
- GitHub CLI(gh)
- GitHub の操作(Issue を読む・PR を作るなど)を、コマンドでできるようにする GitHub 公式の道具。AI エージェントも、これを使って GitHub を操作できます。
第12章 Markdown と指示ファイル(CLAUDE.md・AGENTS.md)
- Markdown(マークダウン)
- 文章に「#」や「-」などの記号で「ここは見出し」「ここは箇条書き」と印を付ける書き方。中身はただの文字なので記号のままでも読め、対応したアプリで開くと整った見た目で表示されます。ファイル名は「.md」で終わります。
- 見出し
- 文章の区切りに付ける題名。Markdown では行の頭に「#」と空白を書きます。「#」が多いほど小さい見出しになります(1〜6個)。
- 箇条書き(かじょうがき)
- 項目を1行に1つずつ並べる書き方。Markdown では行の頭に「-」と空白を書きます。順番に意味があるときは「1.」のような番号付きの箇条書きにします。
- 太字
- 目立たせたい文字を太くすること。Markdown では「**」で文字をはさみます。日本語では、「**」のすぐ内側に「」などの記号を置くと太字にならないことがあります。
- コードブロック
- 何行もあるコードやコマンドを、ひとまとまりで見せる書き方。Markdown では、バッククォート(`)を3つ並べた行で上下をはさみます。文の中の短いコードは、バッククォート1つではさみます。
- README(リードミー)
- プロジェクトが何をするか・どう使うかを書いた、人が読むための説明書のファイル。README.md のように Markdown で書くことが多く、GitHub はフォルダーに置いた README を表示して見せます。
- 指示ファイル
- AI コーディングのツールが作業の始めに自動で読み込む、決まりごとを書いたファイル。使うコマンドや、プロジェクトの決まりを書いておくと、新しい会話でも毎回伝わります。Claude Code の CLAUDE.md、Codex の AGENTS.md、Antigravity CLI の AGENTS.md・GEMINI.md など。
- CLAUDE.md
- Claude Code が作業の始めに読む指示ファイル。プロジェクトのフォルダー(./CLAUDE.md)や、自分用の場所(~/.claude/CLAUDE.md)に置きます。見つかったものは全部つなげて読まれます。
- AGENTS.md
- どの AI ツールでも使えるように決められた、共通の形の指示ファイル。Codex と Antigravity CLI はこれを読みます。Claude Code は CLAUDE.md が無ければ読み、以前からある Gemini CLI は設定で読めるようにできます。
- GEMINI.md
- Google のツールが読む指示ファイル。Antigravity CLI は AGENTS.md と同じように読みます(公式の呼び名は「ルール」)。自分用の ~/.gemini/GEMINI.md と、プロジェクトのフォルダーに置いたものが読まれます。以前からある Gemini CLI では、既定の名前がこれです。
- 置き場所(自分用・プロジェクト)
- 指示ファイルは、置く場所で効く範囲が変わります。自分用の場所に置くとどのプロジェクトでも読まれ、プロジェクトのフォルダーに置くとそのプロジェクトだけで読まれます。プロジェクトのものは Git でチームと共有します。
- /init
- 指示ファイルの下書きを AI に作らせるスラッシュコマンド。Claude Code と Codex にあります(以前からある Gemini CLI にも)。Claude Code では、AI がプロジェクトを調べて書き出します。できた下書きは自分で読んで直します。
- 自動メモリ
- Claude Code で、AI が自分で付けて次の会話に持ち越すメモ。「覚えておいて」と頼むとここに残ります。人が書く指示ファイル(CLAUDE.md)とは別のものです。
第13章 スキル:手順書を渡しておく
- スキル(Skill)
- 決まった作業の手順書を、使う資料やスクリプトと一緒にフォルダーにまとめたもの。ふだんは名前と説明だけが AI のコンテキストに入り、頼みごとに合うと、AI が手順の本文を読んでそのとおりに進めます。人が「/名前」で呼ぶこともできます。
- SKILL.md
- スキルのフォルダーに必ず置く手順書のファイル。先頭の「---」のあいだに名前と説明を書き、その下に手順を Markdown で書きます。
- フロントマター
- ファイルの先頭の「---」と「---」のあいだに書く、そのファイルについての情報。スキルの SKILL.md では、名前(name)と説明(description)をここに書きます。
- スキルの説明(description)
- SKILL.md のフロントマターに書く、そのスキルが何をするか・いつ使うかの説明文。AI はこれを読んで、頼みごとにスキルを使うかどうかを決めます。あいまいだと使われません。
- 段階的な読み込み
- スキルの中身を、要る分だけ順に読むしくみ(英語では progressive disclosure)。会話の始めは名前と説明だけ、頼みに合えば本文、作業の中で要れば付属のファイル、と読み進めるので、たくさんのスキルを入れておいてもコンテキストを使いにくくなります。
- Agent Skills(エージェントスキル)
- SKILL.md のフォルダーでスキルを書く、共通の形。Anthropic が作って公開したもので、Claude Code・Codex・Antigravity CLI などがこの形のスキルを読めます。
第14章 MCP:外のサービスとつなぐ
- MCP(Model Context Protocol)(エムシーピー(モデル コンテキスト プロトコル))
- AI のアプリを、外のサービスや道具とつなぐための共通の決まり。Anthropic が 2024 年に公開し、いまは Claude Code・Codex・Antigravity CLI など多くのアプリが対応しています。公式は「AI のアプリの USB-C ポートのようなもの」とたとえています。
- プロトコル
- 機械どうしがやりとりするときの決まり(何を、どんな形で送り、どう返すか)。決まりが同じなら、作った会社が違っても話が通じます。
- MCP サーバー(エムシーピー サーバー)
- 外のサービスや道具の「窓口」になる小さなプログラム。AI が使える道具(ツール)を MCP の決まりで差し出し、頼まれたら代わりにサービスとやりとりします。「GitHub の MCP」は、GitHub の MCP サーバーのことです。
- MCP クライアント(エムシーピー クライアント)
- AI のアプリの側で、MCP サーバーにつないで道具を使う部分。公式の説明では、Claude Code のような AI のアプリを「ホスト」と呼び、ホストがつなぐサーバーごとに MCP クライアントを1つずつ作ります。
- ローカルの MCP サーバー
- あなたのパソコンの中で動く MCP サーバー。AI のアプリが起動します。あなたのアカウントで読めるファイルは読めるので、作った人が信頼できるかを確かめてから入れます。
- リモートの MCP サーバー
- インターネットの先(サービスの側)で動く MCP サーバー。URL を書いてつなぎます。ログインが要るものは、ブラウザでそのサービスにログインして使えるようにします。あなたのパソコンの中ではプログラムを動かしません。
- .mcp.json(ドット エムシーピー ジェイソン)
- Claude Code で、プロジェクトのフォルダーの一番上に置く MCP の設定ファイル。どのサーバーを、どうつなぐかを書きます。Git で共有すると、チームの全員が同じサーバーを使えます。
- アクセストークン
- サービスに「この人の代わりに使ってよい」と示すための長い文字列(たとえるなら合い言葉)。人に見せたり、共有するファイルに書いたりしません。第2章の LLM の「トークン」とは別のものです。
第15章 フック:決まった時に必ず動かす
- フック
- 決まったタイミング(道具を使う前・使ったあと・返事を終えたときなど)に、AI ツールが自動で動かすコマンド。AI が「動かそう」と決めなくても毎回動くので、整形をかける・危ないコマンドを止める、などに使います。
- イベント(フックのタイミング)
- フックを動かすタイミングの名前。Claude Code では、道具を使う前の PreToolUse、使ったあとの PostToolUse、返事を終えたときの Stop、会話を始めたときの SessionStart などがあります。
- マッチャー
- フックを、どの道具のときだけ動かすかの絞り込み。"Edit|Write" ならファイルを書き換える道具か書く道具のとき、"Bash" ならコマンドを動かす道具のときだけ動きます。書かないと、そのイベントのたびに毎回動きます。
- JSON(ジェイソン)
- データを書くための決まった書き方。波かっこ { } の中に、"名前": 値 の組をコンマで区切って並べます。Claude Code の settings.json も、この書き方です。最後の組のあとにコンマを付けたり、コメントを書いたりすると、読めなくなります。
- 整形(フォーマッター)
- コードの見た目(引用符・字下げ・改行・セミコロンなど)を、決まった形にそろえること。そろえる道具をフォーマッターと呼び、Prettier などがあります。
- スクリプト
- やってほしい手順(コマンドの並び)を書いておき、まとめて動かせるようにしたファイル。フックでは、受け取った中身を調べて「止める」「止めない」を決める小さなスクリプトを置くことがあります。
- 終了コード
- コマンドやスクリプトが終わるときに返す数。0 はふつう「うまくいった」の意味です。Claude Code のフックでは、2 を返すと「止める」、0 なら「何も言わない」(いつもの流れに進む)になります。
第16章 サブエージェントと並べて進める作業
- サブエージェント
- 元の会話とは別のコンテキストで、任された仕事だけをする AI。調べものや見直しを任せると、途中で読んだ中身は向こうに積まれ、元の会話には結論だけが戻ります。
- コンテキストを分ける
- 作業ごとに別のコンテキストを使い、関係ない中身を混ぜないこと。サブエージェントに任せると、調べものの途中の中身が元の会話に入らず、本筋の作業のために場所が空いたままになります。
- バックグラウンド
- 画面の裏で動かしておくこと。Claude Code が任せたサブエージェントは、ふつうバックグラウンドで動き、そのあいだも元の会話で話を続けられます。終わると知らせが届きます。
- 並列(へいれつ)
- いくつかの作業を同時に進めること。互いに関係しない調べものをサブエージェントで並列に進めると早く終わりますが、使うトークンは、動かした数だけ増えます。
- worktree(作業ツリー)(ワークツリー)
- Git の機能で、1つのリポジトリから作業フォルダーをもう1つ作るしくみ。ファイルは別々で、記録は共有します。AI ごとに worktree を分けると、書き換える作業を同時に進めても、作業中に変更がぶつかりません。
第17章 ハーネスを整える
- プラグイン
- スキル・サブエージェント・フック・MCP サーバーなどを1つのフォルダーにまとめ、まとめて入れたり配ったりできるようにした包み。Claude Code・Codex・Antigravity CLI にあります。
- マーケットプレイス
- プラグインの一覧(カタログ)。どのプラグインをどこから取ってくるかが書いてあり、足しておくと、そこに載っているプラグインを名前で入れられます。一覧の作り手が中身を保証するとは限りません。
- ハーネスエンジニアリング
- OpenAI が、AI に作業させるための環境(指示ファイル・ドキュメント・機械で確かめるしくみ)を整えた取り組みを書いた記事(2026年2月)の題名に使った言葉。この章の「ハーネスを整える」と近い話です。
第18章 セーフガード:AI に読ませてはいけないものと、事故を防ぐしくみ
- セーフガード
- 事故を防ぐためのしくみと心がけ。AI コーディングでは、AI に読ませないものを決める・危ない操作を止める設定を入れる・戻せる状態にしてから任せる、などをまとめてこう呼びます。
- 秘密の値(シークレット)
- それを持っている人を本人とみなす値。API キー・パスワード・アクセストークン・秘密鍵など。漏れると、ほかの人があなたとして使えるので、AI にも人にも見せず、Git にも入れません。
- 個人情報
- 名前・住所・メールアドレス・電話番号・顔写真など、だれのことかが分かる情報。その人が知らないうちに外へ出さないように扱います。AI に渡すのも、外へ出すことの1つです。
- 本番(本番環境)
- 実際の利用者が使っている、動いているサービスと、そのデータ。試すための環境と分けて呼びます。AI に任せるときは、本番の鍵や接続先を AI の届く所に置かないようにします。
- 学習に使う(データの利用)
- 送った会話やコードを、AI の会社が新しいモデルを作るための材料にすること。使うかどうか・どれだけ残すかは、会社・プラン・設定で違います。
- 環境変数(かんきょうへんすう)
- プログラムを動かすときに、外から渡す「名前=値」の組。秘密の値をコードに書かず、WEATHER_API_KEY のような名前で読むのに使います。
- .env(ドットエンブ)
- 環境変数に入れる値を、1行に1つ「名前=値」の形で書いておくファイル。秘密の値を入れることが多いので、Git に入れず(.gitignore)、AI にも読ませない(deny)ようにします。
- .gitignore(ギットイグノア)
- Git に「このファイルは記録しない」と伝えるファイル。書いたファイルはコミットされず、GitHub にも上がりません。AI が読むのは止められず、すでに記録したファイルにも効きません。
- ローテーション(キーの作り直し)
- 古いキーを使えなくして、新しいキーに取り替えること。秘密の値が漏れたかもしれないときは、記録から消すより先に、まずこれをします。
- 架空のデータ(ダミーデータ)
- 本物の代わりに使う、形だけ同じ作り物のデータ。試すときや、AI に例として見せるときに使います。メールアドレスなら、例のために取っておかれた example.com が使えます。
- 使用ポリシー
- AI の会社が決めている、使ってはいけない使い方の決まり。悪意のあるプログラムを作る、などが挙がっています。違反すると、警告を受けたり使えなくなったりすることがあります。
第20章 オーケストレーション:複数の AI に分けて任せる
- オーケストレーション
- 複数の AI を1つの目的に向けて束ね、仕事を分けて任せ、結果を確かめてまとめること。計画・分ける・指示・見張る・確かめる・取り込むを受け持つ役を、指揮役と呼びます。
- 指揮役(オーケストレーター)
- オーケストレーションで、複数の AI を束ねる役。計画を立てて仕事を分け、指示を書き、担当の結果を確かめて取り込みます。自分では作らず、任せることに徹します。人がしても、AI に任せてもかまいません。
- 担当(ワーカー)
- 指揮役から1つの仕事を任される AI。自分の作業フォルダーで作り、流したコマンドの出力や差分といった証拠をつけて報告します。
- rebase(リベース)(リベース)
- 自分のブランチの出発点を、main の新しい先頭に付け替える Git の操作。ほかの変更が main に入ったあと、それに合わせ直してから確かめ直すときに使います。
- コンフリクト(衝突)(コンフリクト)
- 2つのブランチが、同じファイルの同じ所を違うふうに変えていて、Git が自動でまとめられない状態。どちらを残すかを決めて直してから、取り込みます。
- ヘッドレス
- 画面でやりとりせず、頼みを1回渡して、終わったら結果だけを受け取る AI の動かし方。台本(スクリプト)から多くの AI をまとめて動かすときに使います。