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AIコーディングをはじめよう

第5章・AI コーディングの道具を知る

使う場所の違い:ブラウザ・デスクトップ・CLI・エディタ

AI コーディングの話をしていると、「CLI で動かしてる」「VS Code の拡張で使ってる」「デスクトップアプリの Claude Code」「Web 版で並べて走らせる」のように、使う場所の名前がよく出てきます。同じ Claude Code でも、使える場所は1つではありません。

この章では、ブラウザ・デスクトップアプリ・ターミナル・エディタの4つの場所と、作業をクラウドで動かす使い方の違いを見ます。いちばん大きな違いは、AI があなたのパソコンのファイルを直接読み書きするかどうかと、作業がどこのコンピューターで動くかです。

最後に、Anthropic・OpenAI・Google の道具がそれぞれどこで使えるかを並べ、どこを選べばよいかの考え方を見ます。

この章で見ること
4つの使う場所と「ファイルに触れるか」、ターミナルと CLI、エディタと拡張機能、クラウドで動かす(ローカルとリモート)、3社の道具が使える場所、選び方を、図で順に見ます。
読み終わると
自分の作業に合う使い場所を選べる。「CLI で動かす」「エディタの拡張」と言われて、どこの話か分かる
前の章までに知っていること
第4章の「AI エージェントは、作業フォルダーの中のファイルを読み書きし、コマンドを動かす」が分かっていれば読めます。ターミナルを使ったことがなくても大丈夫です。
読む時間の目安
15分ほど

この章で出てくる言葉

分かる言葉は読み飛ばして構いません。途中で分からない言葉が出たら、ここに戻ってくるか、用語集で探してください。

ブラウザ版(Web 版)
Web のページを見るアプリ(ブラウザ)でサイトを開いて使う形。何も入れずに使えます。claude.ai・chatgpt.com などのチャットでは、AI に見せたいファイルは自分で添付して渡します。
デスクトップアプリ
パソコンに入れて使うアプリ。ボタンや画面を押して操作します。AI コーディングのデスクトップアプリでは、作業するフォルダーを選ぶと、その中のファイルを AI が読み書きします。
ターミナル
文字を打ってパソコンに命令する画面(アプリ)。Mac では「ターミナル」、Windows では PowerShell などがこれにあたります。打った命令(コマンド)の結果も、文字で返ってきます。
CLI(コマンドライン)(シーエルアイ)
Command Line Interface の略。ボタンではなく、文字(コマンド)を打って操作する形のアプリのこと。Claude Code の CLI は、ターミナルで claude と打って起動し、ターミナルの中で動きます。
エディタ/IDE(アイディーイー)
プログラムのファイルを開いて書き換えるためのアプリ。VS Code が代表例です。書く・動かす・確かめる道具を1つにまとめたものを IDE(統合開発環境)と呼び、AI ツールの文書では VS Code も IDE と呼んでいます。
拡張機能
アプリにあとから足して、できることを増やす部品。エディタに AI ツールの拡張機能を入れると、エディタの中に AI との会話の欄が出て、開いているファイルを見せながら頼めます。
ローカル
自分のパソコンのこと。「ローカルで動かす」は、自分のパソコンの上で動かすこと。ターミナル・デスクトップアプリ・エディタの AI ツールは、ふつうローカルで動き、手元のファイルを読み書きします。
クラウドで動かす(リモート)
作業を、自分のパソコンではなく、各社が用意したインターネットの向こうのコンピューターで動かすこと。パソコンを閉じても作業が続きます。手元のファイルは自動では渡らないので、GitHub などに置いたコードを写して作業します。

下にスクロールすると、図が1つずつ動いて説明が進みます。見逃したら、スクロールを戻せば同じところが巻き戻ります。図は、しくみを説明するために描いた模式図です。実際のアプリの画面ではありません。

  1. 01 / 19

    AI コーディングの道具は、いくつもの場所で使えます。大きく分けると、ブラウザ・デスクトップアプリ・ターミナル・エディタの4つです。

    同じ会社の同じ AI でも、どこで使うかで、画面の見え方とできることが少しずつ違います。この章では、その違いと選び方を見ます。

    会話では:「どこで使ってる?」「CLI? それともデスクトップアプリ?」のように、使う場所はよく話題になります。

    しくみの図AI コーディングの道具を使う4つの場所
  2. 02 / 19

    いちばん大きな違いは、あなたのパソコンのファイルを、AI が直接読み書きするかどうかです。

    デスクトップアプリ・ターミナル・エディタでは、選んだフォルダー(第4章の作業フォルダー)の中を AI が読み書きします。ブラウザのチャットでは、見せたいものを人が添付します。

    会話では:「ブラウザだと、ファイルをいちいち貼らないといけない」——直接読み書きできる場所に移ると、この手間がなくなります。

    しくみの図AI コーディングの道具を使う4つの場所
  3. 03 / 19

    ブラウザでサイトを開いて使う形を、ブラウザ版(Web 版)と呼びます。何も入れずに、すぐ使えます。

    claude.ai・chatgpt.com・gemini.google.com などがあります。見せたいファイルは人が添付し、返ってきた答えを自分のファイルに反映するのも人です(第4章のチャット)。

    会話では:「Web 版で聞いてみた」は、ブラウザでサイトを開いて使った、という意味です。相談や下書きなら、これで足ります。

    しくみの図ブラウザ版:サイトを開くだけで使える
  4. 04 / 19

    デスクトップアプリは、パソコンに入れて使うアプリです。作業フォルダーを選ぶと、AI がその中のファイルを読み書きします。

    ボタンと画面で操作するので、ターミナルを使わずに済みます。変えたところだけを並べた表示(差分)を目で見比べたり、いくつもの作業を並べて動かしたりできます。

    会話では:「デスクトップアプリの Claude Code」は、Claude のデスクトップアプリ(Code のタブ)のことです。中で動くのは、ターミナル版と同じ Claude Code です。

    しくみの図デスクトップアプリ:ボタンと画面で使う
  5. 05 / 19

    ターミナルは、文字を打ってパソコンに命令する画面です。Mac では「ターミナル」、Windows では PowerShell などがこれにあたります。

    クリックで押す場所はなく、キーボードで打ちます。図の $ は「ここに打つ」という印です(実際の表示は、パソコンの設定で違います)。

    会話では:「ターミナルってどれ?」「ターミナルを開いて」と言われたら、文字で命令を打つこの画面のことです。

    ~/practice
  6. 06 / 19

    たとえば ls と打って Enter を押すと、いまいるフォルダーの中身が、文字で返ってきます。

    ls は、フォルダーの中のファイルの名前を並べるコマンドです。結果も、ボタンや絵ではなく文字で出ます。

    会話では:「ターミナルで打って」と言われたら、この行にコマンドを打って Enter を押す、という意味です。

    ~/practice
  7. 07 / 19

    このように、文字(コマンド)を打って操作するアプリを CLI と呼びます。Claude Code の CLI は、claude と打つと起動します。

    CLI は Command Line Interface の略で、「コマンドライン」とも言います。起動したフォルダーが、そのまま作業フォルダーになります。

    会話では:「CLI で動かす」「ターミナル版を使ってる」は、この形で Claude Code などを使っている、という意味です。

    ~/practice
  8. 08 / 19

    ターミナルの中に、Claude Code の画面が出ます。下の入力欄に日本語で頼むと、作業の様子も返事も、文字で流れます。

    初めてのフォルダーでは、先に確認の画面が出ます(第6章)。下の auto mode の表示は、どこまで聞かずに任せるかの設定です(第10章)。

    会話では:「ターミナルで claude を起動して」と言われたら、作業フォルダーに移ってから claude と打つ、という意味です。

    ~/practice
  9. 09 / 19

    エディタは、プログラムのファイルを開いて書き換えるためのアプリです。VS Code が代表例で、ファイルの一覧・コード・ターミナルが1つの画面にあります。

    書く・動かす・確かめる道具をまとめたものを IDE(統合開発環境)と呼びます。AI ツールの文書では、VS Code も IDE と呼んでいます。中のターミナルで CLI を動かすこともできます。

    会話では:「IDE は何を使ってる?」と聞かれたら、コードを書くのに使っているアプリ(VS Code など)を答えます。

    しくみの図エディタと拡張機能
  10. 10 / 19

    アプリにあとから足す部品を、拡張機能と呼びます。AI ツールの拡張機能を入れると、エディタの中に AI との会話の欄が出ます。

    開いているファイルや選んだ行を見せながら頼め、AI が変えたところをその場で見比べられます。Claude Code・Codex・Antigravity の3つとも、VS Code の拡張機能があります。

    会話では:「VS Code の拡張で使ってる」は、エディタの中の会話の欄から AI に頼んでいる、という意味です。

    しくみの図エディタと拡張機能
  11. 11 / 19

    ブラウザから使う版には、作業をクラウドのコンピューターで動かすものもあります。Claude Code on the web(claude.ai/code)はその例です。

    クラウドは、インターネットの向こうにある、各社が用意したコンピューターのことです。GitHub(コードを預けておく Web のサービス。第11章)などに置いたコードを写して作業するので、パソコンを閉じても作業が続きます。

    会話では:「Web 版で並べて走らせる」は、クラウドで作業をいくつも同時に動かしておき、あとで結果を見に行く使い方です。

    しくみの図クラウドで動かす:作業は別のコンピューターで
  12. 12 / 19

    自分のパソコンで動くことをローカル、クラウドなど別のコンピューターで動くことをリモートと言います。

    クラウドの作業には、手元のファイルや設定は自動では渡りません。手元にしか無いファイルを使うなら、ローカルで動く場所(ターミナル・エディタ・デスクトップアプリ)を選びます。

    会話では:「ローカルで動かす」「リモートで走らせる」のように使います。どちらで動いているかで、AI が見られるファイルが変わります。

    しくみの図クラウドで動かす:作業は別のコンピューターで
  13. 13 / 19

    Anthropic の Claude Code は、ターミナル・エディタ・デスクトップアプリ・ブラウザのどこでも使えます。

    Claude Code の文書は、どの場所でも同じエンジン(中のしくみ)が動いていて、場所ごとに向いている作業が違う、と書いています。スマホのアプリから使う方法もあります。

    会話では:「同じ Claude Code だけど、ふだんは VS Code の拡張で、長い作業は Web 版で」のように、場所を使い分けます。

    しくみの図3社の道具が使える場所(2026年10月時点)
  14. 14 / 19

    OpenAI の Codex も、同じ4つの場所で使えます。デスクトップでは ChatGPT のアプリの中で Codex を選び、ブラウザからはクラウドで動かします。

    Codex の文書は、Codex を、CLI・エディタの拡張・デスクトップアプリ・Web・クラウドで使える1つのコーディングエージェントとして説明しています。CLI と拡張は同じ設定を使います。

    会話では:「Codex を VS Code で使ってる」「Codex Cloud に任せた」のように、同じ Codex を、場所の名前で呼び分けます。

    しくみの図3社の道具が使える場所(2026年10月時点)
  15. 15 / 19

    Google の Antigravity も、ターミナル・エディタ・デスクトップアプリで使えます。ブラウザからは、手元のパソコンで動いている作業を操作します。

    ブラウザから操作するしくみ(Remote Control)では、作業も手元のファイルも、手元のパソコンに残ったままです。以前からある Gemini CLI もありますが、Google は最新の Gemini モデルでのコーディングには Antigravity CLI を勧めています(2026年10月時点)。

    会話では:「Antigravity CLI で動かして」「Antigravity のアプリで」のように、Google の道具も、場所の名前で呼び分けます。

    しくみの図3社の道具が使える場所(2026年10月時点)
  16. 16 / 19

    どこで使っても、中で動く LLM と、「考える → 道具を使う → 結果を見る」のくり返し(第4章)は同じです。

    違うのは、画面の見え方、場所ごとに使える機能の一部、作業がローカルとリモートのどちらで動くかです。モデルの選び方(第3章)も、場所によらず同じ考え方です。

    会話では:「CLI でも拡張でも、やっていることは同じ」——場所を変えても、頼み方や確かめ方はそのまま使えます。

    しくみの図3社の道具が使える場所(2026年10月時点)
  17. 17 / 19

    どこを選ぶかは、やりたいことで決めます。各社の文書の「こんなときに使う」の説明をまとめると、この表のようになります。

    どれが上ということはありません。Claude Code の文書は、CLI は機能がすべてそろっていて自動化にも向き、デスクトップアプリとエディタは変更を目で確かめやすい、と書いています。

    会話では:「ちょっと聞くだけならブラウザで」「直すならエディタで」「長いのはクラウドに任せる」のように使い分けます。

    しくみの図使う場所の選び方
  18. 18 / 19

    迷ったら、ターミナルを使うなら CLI、使いたくなければデスクトップアプリから始めます。Claude Code の公式の案内も、この2つを挙げています。

    この教材は、次の章から CLI の Claude Code を例に進めます。画面が文字だけで図に写しやすく、ほかの場所でも同じ考え方で使えるからです。

    会話では:「まずはデスクトップアプリで慣れて、あとから CLI も」のように、始めやすい場所から入ってかまいません。

    しくみの図使う場所の選び方
  19. 19 / 19

    場所は1つに決めなくてかまいません。同じプロジェクトで、ターミナル・エディタ・デスクトップアプリを混ぜて使えます。

    Claude Code では、手元の場所どうしで指示ファイル(第12章)や設定を共有し、ターミナルで始めた会話を、デスクトップアプリや VS Code で続けることもできます。クラウドの作業は、コードの写しから始まります。

    会話では:「ターミナルで始めた会話を、デスクトップアプリで続けた」のように、場所をまたいで作業を続けることもあります。

    しくみの図場所を混ぜて使う

この章のまとめ

  1. 1

    使う場所は、ブラウザ・デスクトップアプリ・ターミナル(CLI)・エディタの4つです。ブラウザのチャットでは、見せたいファイルを人が添付します。デスクトップアプリ・ターミナル・エディタでは、選んだフォルダーの中のファイルを AI が直接読み書きします。CLI は、文字(コマンド)を打って操作するアプリの形です。

  2. 2

    作業がどこで動くかも違います。自分のパソコンで動くのがローカル、クラウドのコンピューターで動くのがリモートです。クラウドなら、パソコンを閉じても作業が続きますが、手元のファイルや設定は自動では渡らず、GitHub などに置いたコードの写しを使います。

  3. 3

    どこで使っても、中の AI エージェントと考え方は同じです。3社とも、ターミナル・エディタ・デスクトップアプリで使える道具を出しています。やりたいことに合わせて選び、迷ったら、ターミナルを使うなら CLI、使いたくなければデスクトップアプリから始めます。場所は混ぜて使えます。

この章の内容を確かめた情報源

確認日: 2026年10月25日

次の章第6章 はじめての1往復:AI エージェントに頼んで、確かめるClaude Code を例に、起動・フォルダーの信頼・頼む・許可する・結果を確かめる・終えるまでを通して見る。

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