第16章・自分用に育てる
サブエージェントと並べて進める作業
AI に大きな調べものを頼むと、AI はたくさんのファイルを読み、コマンドを動かします。その中身はすべて会話のコンテキストに積まれていき、本筋の作業に使える場所がだんだん減っていきます。
そこで使うのが、サブエージェントです。元の会話とは別のコンテキストで動く AI に調べものを任せ、結論だけを返してもらいます。「サブエージェントに調べさせて」「並列で走らせて」「worktree で分けて」は、AI コーディングの会話でよく出てくる言い方です。
この章では、サブエージェントに何が渡り何が渡らないか、Claude Code の画面でどう見えるか、並べて動かすときの速さとトークンの関係、自分で作るときのファイルの書き方、書き換える作業を並べるときの worktree を順に見ます。
- この章で見ること
- 元の会話とサブエージェントのコンテキストの分かれ方、渡るもの・渡らないもの、Claude Code の画面の行、並列とトークン、向いている仕事、定義のファイル、worktree、3社の違いを、図で順に見ます。
- 読み終わると
- サブエージェントを使うと何がうれしいか(コンテキストを分けられる)と、使いすぎの注意を説明できる
- 前の章までに知っていること
- 第4章の「エージェントは道具を使って作業を進める」と、第2章の「コンテキストウィンドウ(一度に見られる量)」が分かっていれば読めます。第9章(コンテキスト)・第11章(Git)・第12章(Markdown と指示ファイル)を先に読んでおくと、さらに分かりやすくなります。
- 読む時間の目安
- 15分ほど
この章で出てくる言葉
分かる言葉は読み飛ばして構いません。途中で分からない言葉が出たら、ここに戻ってくるか、用語集で探してください。
- サブエージェント
- 元の会話とは別のコンテキストで、任された仕事だけをする AI。調べものや見直しを任せると、途中で読んだ中身は向こうに積まれ、元の会話には結論だけが戻ります。
- コンテキストを分ける
- 作業ごとに別のコンテキストを使い、関係ない中身を混ぜないこと。サブエージェントに任せると、調べものの途中の中身が元の会話に入らず、本筋の作業のために場所が空いたままになります。
- バックグラウンド
- 画面の裏で動かしておくこと。Claude Code が任せたサブエージェントは、ふつうバックグラウンドで動き、そのあいだも元の会話で話を続けられます。終わると知らせが届きます。
- 並列(へいれつ)
- いくつかの作業を同時に進めること。互いに関係しない調べものをサブエージェントで並列に進めると早く終わりますが、使うトークンは、動かした数だけ増えます。
- worktree(作業ツリー)(ワークツリー)
- Git の機能で、1つのリポジトリから作業フォルダーをもう1つ作るしくみ。ファイルは別々で、記録は共有します。AI ごとに worktree を分けると、書き換える作業を同時に進めても、作業中に変更がぶつかりません。
下にスクロールすると、図が1つずつ動いて説明が進みます。見逃したら、スクロールを戻せば同じところが巻き戻ります。図は、しくみを説明するために描いた模式図です。実際のアプリの画面ではありません。
01 / 21
調べものを頼むと、AI はたくさんのファイルを読みます。読んだ中身は全部、今の会話のコンテキストに積まれていきます。
図は「ページの題名をどこで決めているか調べて」と頼んだときの例です。コンテキストは AI が一度に見ている会話の中身で(第2章・第9章)、使い終わった中身も場所を取ります。
02 / 21
そこで、調べものを別の AI に任せます。元の会話とは別のコンテキストで、任された仕事だけをする AI を、サブエージェントと呼びます。
「サブ」は「下の・補助の」という意味です。任せるのは、元の会話で動いている AI です。人が「サブエージェントで」と頼むこともできます(このあと)。
03 / 21
サブエージェントも道具を使って調べます。読んだファイルや探した結果は、サブエージェントの箱のほうに積まれます。
サブエージェントも「考える → 道具を使う → 結果を見る」をくり返すエージェントです(第4章)。公式は、テストを動かす・ログを読むなど出力が多い作業を任せる例を挙げています。
04 / 21
終わると、サブエージェントは結論だけを元の会話に返します。途中で読んだ中身は入らないので、元の会話は本筋のために空いたままです。
このように作業ごとに別のコンテキストを使い、関係ない中身を混ぜないことを「コンテキストを分ける」と言います。ただし、返ってくる結論は元の会話に積まれます。
05 / 21
サブエージェントは、元の会話のやりとりを受け継がず、まっさらなコンテキストで始めます。元の会話で読んだファイルや使ったスキルも見えていません。
例外として Claude Code には、それまでの会話をまるごと引き継ぐ「フォーク」という種類のサブエージェントもあります。
06 / 21
手がかりは、元の会話の AI が書く「仕事の説明」です。Claude Code では、指示ファイル(CLAUDE.md)と、使える道具・許可の決まりも引き継ぎます。
サブエージェント用の指示は、そのサブエージェント自身のプロンプトです。最初から入っている調べもの用の Explore と Plan は、指示ファイルを読まずに始めます。
07 / 21
任せ方は2つあります。AI がサブエージェントの説明を読んで自分で任せることもあれば、人が「サブエージェントで」と頼むこともできます。
ここからは Claude Code の画面で見ます。名前を出して頼んでも、任せるかは AI が決めます。必ず使わせたいときは、入力欄で @ を打って名前を選びます。
08 / 21
頼むときは、ふだんの言葉で「サブエージェントで」と書き添えます。何を調べ、何を返してほしいかも書くと、渡す文がはっきりします。
「vendor フォルダーは見ないで」のように必ず守らせたいことも、頼みに書き添えるよう、Claude Code の公式は勧めています。
09 / 21
画面に「Explore(…)」の行が出ます。Explore は、Claude Code に最初から入っている、読むだけで調べるサブエージェントです。
下の Backgrounded agent は「裏で(バックグラウンドで)動き出した」という意味です。最初からあるものには、ほかに Plan(計画の前に調べる)・general-purpose(調べて書き換えもする)など があります。
10 / 21
終わると「finished」の行が出て、元の会話の AI が、受け取った結論をもとに答えます。
途中で読んだ中身は、この流れには出てきません。動いているあいだは入力欄の下にサブエージェントの一覧も出ます(図では省いた)。文と中身は説明のための例です。
11 / 21
互いに関係しない調べものなら、サブエージェントをいくつも同時に動かせます。同時に進めることを並列と言い、順番にやるより早く終わります。
公式は「認証・データベース・API を、別々のサブエージェントで並べて調べて」を例にしています。並べると画面に「2 background agents launched」のように数が出ます。
12 / 21
ただし、使うトークンは減りません。サブエージェントはそれぞれ一から調べ、自分のぶんのやりとりをするので、並べた数だけ使います。
Claude Code では、サブエージェントの分も元の会話と同じ使用量の上限に数えられます。OpenAI も、1つのエージェントで進めるよりトークンが多くかかると書いています。
13 / 21
任せるのに向いているのは、途中の出力が多く、結論だけ分かればよい作業です。何度も相談しながら進める作業は、元の会話のほうが向いています。
読むだけの見直しも向いています。計画 → 作る → 確かめると同じ話を使い続ける作業や、すぐ終わる小さな変更は、一から調べ直すぶんかえって遅くなるので元の会話で。
14 / 21
よく任せる仕事は、サブエージェントとして自分で作っておけます。中身は、役割を書いた Markdown のファイル1つです。
Claude Code では、作業フォルダーの .claude/agents/ に置きます。図のファイルは、変更を見直す係の架空の例です。
15 / 21
先頭の --- のあいだ(フロントマター。第13章)に、名前(name)と説明(description)を書きます。AI はこの説明を読んで、いつ任せるかを決めます。
必ず書くのは名前と説明の2つです。説明はいつも読み込まれてコンテキストを使うので、短く書くよう公式は勧めています。
16 / 21
使える道具(tools)を読むだけのものに絞ると、ファイルを書き換えない係にできます。--- の下の文章が、このサブエージェントへの指示です。
model で、小さく速いモデルを選ぶこともできます。自分用の ~/.claude/agents/ に置くと、どのプロジェクトでも使えます。
17 / 21
書き換える作業を並べるときは、注意がいります。1つの作業フォルダーで2つの AI が同じファイルを同時に書き換えると、変更がぶつかります。
OpenAI は、読むだけの作業から並べ始め、書き換える作業を並べるのは慎重に、と書いています。
18 / 21
そこで使うのが worktree(作業ツリー)です。1つのリポジトリから作業フォルダーをもう1つ作る Git の機能で、ファイルは別々・記録は共有です。
リポジトリは Git で記録を取っているフォルダー、ブランチは記録を分けて進める線です(第11章)。worktree ごとに別のブランチを使います。
19 / 21
Claude Code では claude --worktree 名前 で worktree を作って起動できます。サブエージェントは、定義に isolation: worktree と書くと自分の worktree で動きます。
worktree は新しく作った作業フォルダーなので、必要なものの準備(インストールなど)がいることがあります。終わったら、変更を確かめて取り込みます(第11章・第19章)。
20 / 21
3社とも、サブエージェントのしくみがあります。AI が自分で任せるか、頼まれてから任せるかは、ツールによって違います。
Claude Code:AI が説明を見て自分で任せる。頼んでもよい。Codex:頼んだとき(AGENTS.md・スキルの指示も)。Antigravity CLI:AI が自分で任せる。頼んでもよい。
21 / 21
様子を見るには、Claude Code は入力欄の下の一覧と /tasks、Codex は /subagents、Antigravity CLI は /agents を使います。
定義のファイルは、Claude Code が .claude/agents/ に md、Codex が .codex/agents/ に TOML、Antigravity CLI が .agents/agents/ に md。名前や置き場所は変わることがあるので、使う前に公式で確かめます。
01 / 21
調べものを頼むと、AI はたくさんのファイルを読みます。読んだ中身は全部、今の会話のコンテキストに積まれていきます。
図は「ページの題名をどこで決めているか調べて」と頼んだときの例です。コンテキストは AI が一度に見ている会話の中身で(第2章・第9章)、使い終わった中身も場所を取ります。
会話では:「調べもので会話が散らかった」は、本筋に関係ない中身がコンテキストに積み上がった状態を言います。
しくみの図調べものを、元の会話でそのまま進めると02 / 21
そこで、調べものを別の AI に任せます。元の会話とは別のコンテキストで、任された仕事だけをする AI を、サブエージェントと呼びます。
「サブ」は「下の・補助の」という意味です。任せるのは、元の会話で動いている AI です。人が「サブエージェントで」と頼むこともできます(このあと)。
会話では:「サブエージェントに調べさせて」は、調べものを別のコンテキストでやらせる頼み方です。
しくみの図サブエージェント:別のコンテキストで動く AI03 / 21
サブエージェントも道具を使って調べます。読んだファイルや探した結果は、サブエージェントの箱のほうに積まれます。
サブエージェントも「考える → 道具を使う → 結果を見る」をくり返すエージェントです(第4章)。公式は、テストを動かす・ログを読むなど出力が多い作業を任せる例を挙げています。
会話では:「テストはサブエージェントで流して、落ちたものだけ教えて」のように、出力の多い作業をまるごと任せます。
しくみの図サブエージェント:別のコンテキストで動く AI04 / 21
終わると、サブエージェントは結論だけを元の会話に返します。途中で読んだ中身は入らないので、元の会話は本筋のために空いたままです。
このように作業ごとに別のコンテキストを使い、関係ない中身を混ぜないことを「コンテキストを分ける」と言います。ただし、返ってくる結論は元の会話に積まれます。
会話では:「結論だけ返して」は、途中の中身を元の会話に持ち帰らせないための一言です。
しくみの図サブエージェント:別のコンテキストで動く AI05 / 21
サブエージェントは、元の会話のやりとりを受け継がず、まっさらなコンテキストで始めます。元の会話で読んだファイルや使ったスキルも見えていません。
例外として Claude Code には、それまでの会話をまるごと引き継ぐ「フォーク」という種類のサブエージェントもあります。
会話では:「サブエージェントは前の話を知らないから、条件も一緒に渡して」と言われるのは、このためです。
しくみの図サブエージェントに渡るもの・渡らないもの06 / 21
手がかりは、元の会話の AI が書く「仕事の説明」です。Claude Code では、指示ファイル(CLAUDE.md)と、使える道具・許可の決まりも引き継ぎます。
サブエージェント用の指示は、そのサブエージェント自身のプロンプトです。最初から入っている調べもの用の Explore と Plan は、指示ファイルを読まずに始めます。
会話では:「サブエージェントに渡すプロンプトに、守ってほしい条件も入れて」のように、渡す文の中身が話題になります。
しくみの図サブエージェントに渡るもの・渡らないもの07 / 21
任せ方は2つあります。AI がサブエージェントの説明を読んで自分で任せることもあれば、人が「サブエージェントで」と頼むこともできます。
ここからは Claude Code の画面で見ます。名前を出して頼んでも、任せるかは AI が決めます。必ず使わせたいときは、入力欄で @ を打って名前を選びます。
~/practice08 / 21
頼むときは、ふだんの言葉で「サブエージェントで」と書き添えます。何を調べ、何を返してほしいかも書くと、渡す文がはっきりします。
「vendor フォルダーは見ないで」のように必ず守らせたいことも、頼みに書き添えるよう、Claude Code の公式は勧めています。
会話では:「サブエージェントに調べさせて、結論だけ返して」——会話で一番よく出る頼み方です。
~/practice09 / 21
画面に「Explore(…)」の行が出ます。Explore は、Claude Code に最初から入っている、読むだけで調べるサブエージェントです。
下の Backgrounded agent は「裏で(バックグラウンドで)動き出した」という意味です。最初からあるものには、ほかに Plan(計画の前に調べる)・general-purpose(調べて書き換えもする)など があります。
会話では:「Explore が走ってる」は、調べもの用のサブエージェントが動いている、という意味です。
~/practice10 / 21
終わると「finished」の行が出て、元の会話の AI が、受け取った結論をもとに答えます。
途中で読んだ中身は、この流れには出てきません。動いているあいだは入力欄の下にサブエージェントの一覧も出ます(図では省いた)。文と中身は説明のための例です。
会話では:「サブエージェントが終わったら教えて」——結論が戻ってくるまで、ほかの話をしていてもかまいません。
~/practice11 / 21
互いに関係しない調べものなら、サブエージェントをいくつも同時に動かせます。同時に進めることを並列と言い、順番にやるより早く終わります。
公式は「認証・データベース・API を、別々のサブエージェントで並べて調べて」を例にしています。並べると画面に「2 background agents launched」のように数が出ます。
会話では:「3つのサブエージェントで並列に調べて」「並列で走らせて」のように頼みます。
しくみの図順番に調べる・並べて調べる12 / 21
ただし、使うトークンは減りません。サブエージェントはそれぞれ一から調べ、自分のぶんのやりとりをするので、並べた数だけ使います。
Claude Code では、サブエージェントの分も元の会話と同じ使用量の上限に数えられます。OpenAI も、1つのエージェントで進めるよりトークンが多くかかると書いています。
会話では:「並列で走らせると速いけど、トークンを食う」「使用量の上限にすぐ届いた」は、この話です。
しくみの図順番に調べる・並べて調べる13 / 21
任せるのに向いているのは、途中の出力が多く、結論だけ分かればよい作業です。何度も相談しながら進める作業は、元の会話のほうが向いています。
読むだけの見直しも向いています。計画 → 作る → 確かめると同じ話を使い続ける作業や、すぐ終わる小さな変更は、一から調べ直すぶんかえって遅くなるので元の会話で。
会話では:「これは小さい修正だから、サブエージェントを使わずにそのまま直して」のように使い分けます。
しくみの図サブエージェントに任せる仕事・元の会話でする仕事14 / 21
よく任せる仕事は、サブエージェントとして自分で作っておけます。中身は、役割を書いた Markdown のファイル1つです。
Claude Code では、作業フォルダーの .claude/agents/ に置きます。図のファイルは、変更を見直す係の架空の例です。
会話では:「見直し用のサブエージェントを作っておいて」と頼むと、AI がこのファイルを書いてくれます。
しくみの図サブエージェントを自分で作る15 / 21
先頭の --- のあいだ(フロントマター。第13章)に、名前(name)と説明(description)を書きます。AI はこの説明を読んで、いつ任せるかを決めます。
必ず書くのは名前と説明の2つです。説明はいつも読み込まれてコンテキストを使うので、短く書くよう公式は勧めています。
会話では:「説明に『いつ使うか』を書いておいて」——説明が、AI が任せるかどうかを決める手がかりになります。
しくみの図サブエージェントを自分で作る16 / 21
使える道具(tools)を読むだけのものに絞ると、ファイルを書き換えない係にできます。--- の下の文章が、このサブエージェントへの指示です。
model で、小さく速いモデルを選ぶこともできます。自分用の ~/.claude/agents/ に置くと、どのプロジェクトでも使えます。
会話では:「レビュー用のサブエージェントは Read だけにしておいて」のように、道具を絞る話が出てきます。
しくみの図サブエージェントを自分で作る17 / 21
書き換える作業を並べるときは、注意がいります。1つの作業フォルダーで2つの AI が同じファイルを同時に書き換えると、変更がぶつかります。
OpenAI は、読むだけの作業から並べ始め、書き換える作業を並べるのは慎重に、と書いています。
会話では:「同じファイルを触る作業は、並列にしないで」のように、ぶつかりそうな作業は分けて頼みます。
しくみの図書き換える作業を並べるとき18 / 21
そこで使うのが worktree(作業ツリー)です。1つのリポジトリから作業フォルダーをもう1つ作る Git の機能で、ファイルは別々・記録は共有です。
リポジトリは Git で記録を取っているフォルダー、ブランチは記録を分けて進める線です(第11章)。worktree ごとに別のブランチを使います。
会話では:「worktree で分けて、同時に作業して」は、AI ごとに作業フォルダーを分けて、ぶつからないようにする頼み方です。
しくみの図書き換える作業を並べるとき19 / 21
Claude Code では
claude --worktree 名前で worktree を作って起動できます。サブエージェントは、定義にisolation: worktreeと書くと自分の worktree で動きます。worktree は新しく作った作業フォルダーなので、必要なものの準備(インストールなど)がいることがあります。終わったら、変更を確かめて取り込みます(第11章・第19章)。
会話では:「サブエージェントは worktree で動かして、終わったら差分を見せて」のように、分けた作業を最後に確かめます。
しくみの図書き換える作業を並べるとき20 / 21
3社とも、サブエージェントのしくみがあります。AI が自分で任せるか、頼まれてから任せるかは、ツールによって違います。
Claude Code:AI が説明を見て自分で任せる。頼んでもよい。Codex:頼んだとき(AGENTS.md・スキルの指示も)。Antigravity CLI:AI が自分で任せる。頼んでもよい。
会話では:「Codex でも、サブエージェントで並列に調べてって頼めばいい」——3社とも、頼んで任せられます。
しくみの図3社のサブエージェント(2026年10月時点)21 / 21
様子を見るには、Claude Code は入力欄の下の一覧と /tasks、Codex は /subagents、Antigravity CLI は /agents を使います。
定義のファイルは、Claude Code が .claude/agents/ に md、Codex が .codex/agents/ に TOML、Antigravity CLI が .agents/agents/ に md。名前や置き場所は変わることがあるので、使う前に公式で確かめます。
会話では:「Codex の /subagents で様子を見て」「Antigravity CLI の /agents で止めて」のように、ツールごとのコマンドで話します。
しくみの図3社のサブエージェント(2026年10月時点)
会話ではこう出てくる(手順ごと)
上の手順の番号と合わせて見てください。
- 01
調べものを頼むと、AI はたくさんのファイルを読みます。読んだ中身は全部、今の会話のコンテキストに積まれていきます。
「調べもので会話が散らかった」は、本筋に関係ない中身がコンテキストに積み上がった状態を言います。
- 02
そこで、調べものを別の AI に任せます。元の会話とは別のコンテキストで、任された仕事だけをする AI を、サブエージェントと呼びます。
「サブエージェントに調べさせて」は、調べものを別のコンテキストでやらせる頼み方です。
- 03
サブエージェントも道具を使って調べます。読んだファイルや探した結果は、サブエージェントの箱のほうに積まれます。
「テストはサブエージェントで流して、落ちたものだけ教えて」のように、出力の多い作業をまるごと任せます。
- 04
終わると、サブエージェントは結論だけを元の会話に返します。途中で読んだ中身は入らないので、元の会話は本筋のために空いたままです。
「結論だけ返して」は、途中の中身を元の会話に持ち帰らせないための一言です。
- 05
サブエージェントは、元の会話のやりとりを受け継がず、まっさらなコンテキストで始めます。元の会話で読んだファイルや使ったスキルも見えていません。
「サブエージェントは前の話を知らないから、条件も一緒に渡して」と言われるのは、このためです。
- 06
手がかりは、元の会話の AI が書く「仕事の説明」です。Claude Code では、指示ファイル(CLAUDE.md)と、使える道具・許可の決まりも引き継ぎます。
「サブエージェントに渡すプロンプトに、守ってほしい条件も入れて」のように、渡す文の中身が話題になります。
- 08
頼むときは、ふだんの言葉で「サブエージェントで」と書き添えます。何を調べ、何を返してほしいかも書くと、渡す文がはっきりします。
「サブエージェントに調べさせて、結論だけ返して」——会話で一番よく出る頼み方です。
- 09
画面に「Explore(…)」の行が出ます。Explore は、Claude Code に最初から入っている、読むだけで調べるサブエージェントです。
「Explore が走ってる」は、調べもの用のサブエージェントが動いている、という意味です。
- 10
終わると「finished」の行が出て、元の会話の AI が、受け取った結論をもとに答えます。
「サブエージェントが終わったら教えて」——結論が戻ってくるまで、ほかの話をしていてもかまいません。
- 11
互いに関係しない調べものなら、サブエージェントをいくつも同時に動かせます。同時に進めることを並列と言い、順番にやるより早く終わります。
「3つのサブエージェントで並列に調べて」「並列で走らせて」のように頼みます。
- 12
ただし、使うトークンは減りません。サブエージェントはそれぞれ一から調べ、自分のぶんのやりとりをするので、並べた数だけ使います。
「並列で走らせると速いけど、トークンを食う」「使用量の上限にすぐ届いた」は、この話です。
- 13
任せるのに向いているのは、途中の出力が多く、結論だけ分かればよい作業です。何度も相談しながら進める作業は、元の会話のほうが向いています。
「これは小さい修正だから、サブエージェントを使わずにそのまま直して」のように使い分けます。
- 14
よく任せる仕事は、サブエージェントとして自分で作っておけます。中身は、役割を書いた Markdown のファイル1つです。
「見直し用のサブエージェントを作っておいて」と頼むと、AI がこのファイルを書いてくれます。
- 15
先頭の --- のあいだ(フロントマター。第13章)に、名前(name)と説明(description)を書きます。AI はこの説明を読んで、いつ任せるかを決めます。
「説明に『いつ使うか』を書いておいて」——説明が、AI が任せるかどうかを決める手がかりになります。
- 16
使える道具(tools)を読むだけのものに絞ると、ファイルを書き換えない係にできます。--- の下の文章が、このサブエージェントへの指示です。
「レビュー用のサブエージェントは Read だけにしておいて」のように、道具を絞る話が出てきます。
- 17
書き換える作業を並べるときは、注意がいります。1つの作業フォルダーで2つの AI が同じファイルを同時に書き換えると、変更がぶつかります。
「同じファイルを触る作業は、並列にしないで」のように、ぶつかりそうな作業は分けて頼みます。
- 18
そこで使うのが worktree(作業ツリー)です。1つのリポジトリから作業フォルダーをもう1つ作る Git の機能で、ファイルは別々・記録は共有です。
「worktree で分けて、同時に作業して」は、AI ごとに作業フォルダーを分けて、ぶつからないようにする頼み方です。
- 19
Claude Code では
claude --worktree 名前で worktree を作って起動できます。サブエージェントは、定義にisolation: worktreeと書くと自分の worktree で動きます。「サブエージェントは worktree で動かして、終わったら差分を見せて」のように、分けた作業を最後に確かめます。
- 20
3社とも、サブエージェントのしくみがあります。AI が自分で任せるか、頼まれてから任せるかは、ツールによって違います。
「Codex でも、サブエージェントで並列に調べてって頼めばいい」——3社とも、頼んで任せられます。
- 21
様子を見るには、Claude Code は入力欄の下の一覧と /tasks、Codex は /subagents、Antigravity CLI は /agents を使います。
「Codex の /subagents で様子を見て」「Antigravity CLI の /agents で止めて」のように、ツールごとのコマンドで話します。
この章のまとめ
- 1
サブエージェントは、元の会話とは別のコンテキストで、任された仕事だけをする AI です。途中で読んだ中身はサブエージェントの側に積まれ、元の会話には結論だけが戻るので、元の会話は本筋の作業のために空いたままになります。それまでの会話は受け継がないので、守ってほしい条件は任せるときに渡します。
- 2
並べて動かすと速く終わりますが、使うトークンは減りません。サブエージェントはそれぞれ一から調べ、自分のぶんのやりとりをします。向いているのは、途中の出力が多く結論だけ分かればよい作業で、何度も相談しながら進める作業や小さな変更は、元の会話のほうが向いています。
- 3
よく任せる仕事は、名前・説明・指示を書いたファイルで、自分のサブエージェントとして作れます。書き換える作業を並べるときは、worktree で作業フォルダーを分けると、同じファイルを同時に書き換えてぶつかるのを避けられます。worktree ごとに独立した AI のセッションを並べ、指揮役の AI が分けて任せる進め方は、第20章で見ます。
この章の内容を確かめた情報源
- Claude Code「Create custom subagents」(何が渡り何が渡らないか・最初から入っているもの・定義のファイル・バックグラウンドと結果の返り方・向いている仕事)
- Claude Code「Run agents in parallel」・「Manage costs effectively」(並べて動かす方法の比べ方・トークンと使用量)
- Claude Code「Run parallel sessions with worktrees」・「Explore the context window」(worktree の使い方・サブエージェントでコンテキストを分ける)
- Git「git-worktree」(worktree とは何か)
- OpenAI「Subagents」・「Worktrees」(Codex のサブエージェントと worktree)
- Google Antigravity「Custom subagents」・「Agents command (/agents)」・「Features」(Antigravity CLI のサブエージェント)
確認日: 2026年10月25日